咲くは、 トサノクロムヨウラン

2017.08.03 08:58|ムヨウラン属

2010/8/17 の記事を改めて掲載しました。

 近くの里山のクロムヨウランへは、2004年から今年まで7度の夏を通ったのですが、一度も花を開いたことがありません。夜明けの早朝から昼過ぎまで一時間おきに訪問したときも、成果はゼロ。別の場所も4箇所ほど行きましたが同じことでした。
 そのクロムヨウランが「咲いている!」という友人からの電話で、1時間も車を走らせて、8時過ぎに憧れのクロムヨウラン開花の前にカメラをすえました。 咲いた!トサノクロムヨウラン咲いた! トサノクロムヨウラン

 ところで、「クロムヨウラン Lecanorchis nigricans は花を開かない。花を開くのはその変種のトサノクロムヨウラン Lecanorchis nigricans var. patipetala (新種)だ」ということが30年も前に発表されているのでした。その方は今は故人ですが、澤完もと高知大学教授で、クロヤツシロランを新種発表して有名ですが、「トサノクロムヨウラン」の名はほとんど世間に知られていません。少なくても私が知ったのは近ごろです。
 両種の違いがいくつか列挙されていますが、その一つ「クロムヨウランは開花することなく結実する。トサノクロムヨウランは花は平開ないし半開し、クロムヨウランのように未開花のまま結実することはない。」というのは実感できますが、その他は正直わかりかねます。 近くの里山で7度の夏、
一度も花を開かなかった。
近くの里山で7度の夏、
一度も花を開かなかった。

 ムヨウラン属は、種によって花の開き方に違いがあるように思えます。ウスギムヨウランやエンシュウムヨウランはちょっと開いて唇弁の先端部を覗かせます。ムヨウランは比較的良く開き、ときには平開に近い状態を見せます。ムロトムヨウランは花茎の下から上へ順番に開き、同時に2つ咲くのはまれですが、「トサノクロムヨウラン」もこの点同じです。

 花がぱっと開いた写真を撮りたくて右往左往、朝の暗いうちから薮蚊の襲来を恐れず日参したりしますが、ランは人を歓迎して開くわけではないことは確かです。じゃ何で開いたり開かなかったりするのか、不思議です。
とくにクロムヨウランとトサノクロムヨウランのように、形態的にはそんなに違いがない?のに、自生地も格段の差がある訳でもないのに、開く開かないが分かれるのか、不思議です。
 クロムヨウランが花を開かないのは、開く必要がないからかも知れません。まだ蕾のとき内部で自家受粉すれば、何も開くなど余分なエネルギーを使うことはありませんから。何十年か何百年かの遠い将来、あるいは来年にも、他家受粉する必要が起これば、ぱっと開くかも知れません。その時を待ちましょう。

 今年2016年にはいって、ラン科植物と菌と関係を解明する本が出版された。
一つは、5月に出版された 森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界 で、もう一つは、8月出版の ランの王国
 どちらも、豊富な写真と素人(私)にも理解しやすいように工夫されているように思う。
 (下記の画像をクリックすれば、より詳しい内容が判ります)




タグ:クロムヨウラン 8月

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Author: hisa
“ 梅雨時に逆さ傘 ”

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