咲かないクロムヨウランこそ本物!?

2017.08.02 05:00|野生ラン・8月

2015/3/12 の記事を改めて掲載しました。

左=クロムヨウラン、右=トサノクロムヨウラン  
 澤完氏(もと高知大学助教授、故人)が1981年発行の高知大学学術研究報告の 高知県中部のラン科植物 の中で、 クロムヨウランについて「開花することなく結実する」と書いておられます。
 しかし、手元の図鑑 カラー版 野生ラン(家の光協会出版) には大きく開いた花をつけたクロムヨウランの写真が載っています。そして「花はおそらく晴天の日、朝に平開する」と記されています。
 ホームページやブログなどに載っている写真も立派に花を咲かせたクロムヨウランがたくさん載っていて、固い蕾のままのは見当たりません。
 澤先生の説に従えば、これらはすべてクロムヨウランとは違うものだということなってしまう。

 「クロムヨウランは開花しない」という澤先生の書き方がおかしいのではないか?
 この疑問をある研究者にぶっつけたところ、「間違っていない」と言って見せてくれたのが、下記の資料です。 これは 植物学雑誌(THE BOTANICAL MAGAZINE) 第45巻(昭和6年)で、この中で本田正次氏がクロムヨウランを新種として発表しています。 ラテン語はその原記載であり、日本語のほうはその解説ともいえるものですが、これも本田氏が書いたものです。  花が開花するか、否か、肝心なところは、原記載には contigua, tubuliformis と書かれています。
contigua は英語のcontiguous(接触する/接近した)、
tubuliformistubuli「管状の」と tubuliformis「形をした」)との合成語です。
 日本語のほうは正開セズ、花被ハ相接シテ円筒状ヲナスと書かれていますが、当然ながら原記載と一致します。

 こうして原記載にまでさかのぼってみると、澤先生の、クロムヨウランは「開花せず」は順当な結論だと思えます。

 澤先生は、平開するほうを トサノクロムヨウラン Lecanorchis nigricans var. patipetala と命名しました。
 学名はイギリスのキュー植物園のホームページにも載っています。

 

 しかし、日本では広く知られているとはいえません。無視されているといっても良いでしょう。 あの YList を検索してもこの名前は出てきません。




タグ:ムヨウラン属 クロムヨウラン

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