赤い花なら曼珠沙華

2017.10.10 07:51|山野草・9月

2011/10/3の記事を再度掲載しました。

 彼岸のころ、野を真っ赤に染めるのがヒガンバナ、又の名を曼珠沙華。他にも死人花、幽霊花、毒花、痺れ花などなど。子供のころ、「シイレー」と言っていたような記憶があるが、このたぐいでしょうか。
   ヒガンバナは普通、実を付けないのですが、まれに結実することもあるそうです。なぜ結実しないかというと、ヒガンバナが3倍体だからだという。この花はとうの昔、中国から渡ってきたと言われています。そして、原産地の中国のは、すべて2倍体で3倍体はない。日本ではすべて3倍体。そこで、ある学者は「3倍体は日本で生まれ、もとの2倍体は消滅した」と推測しているそうです。
 しかし、「中国で生まれた3倍体のヒガンバナを日本へ持ち帰った」と推測した方が、もっと無理がないように思います。日本で3倍体が生まれるのであれば、中国で3倍体が生まれったていい。中国には3倍体がないというが、日本で消滅したのなら、中国でもその可能性はあるし、広い中国のどこかに残っているかもしれません。
 遣唐使が船に積んで命がけで日本に持ち帰る物品を選ぶとき、並みのものよりは一番際立った品種を選ぶはずです。それが3倍体だった、と推測あるいは空想しても良いではありませんか。



タグ:ヒガンバナ

キバナアキギリ、シモバシラ、ヨツバハギ、ヒヨドリバナ 花盛り

2017.10.04 07:23|山野草・10月

2010/10/16 の記事を改めて掲載しました。



 近くの山手の農道脇の斜面に、キバナアキギリ、シモバシラ、ヨツバハギ、ヒヨドリバナがいっせいに咲いています。 この道は10年間ぐらい毎日のように犬と散歩したところでしたが、そのときはこれらの花を見たような記憶はありません。目に入らなかったはずはありませんが、関心のないものは網膜に映っても見えない。名前が判ってくると、この雑草だらけの斜面は秋の花園だったわけです。
 中でもヨツバハギは2007年11月に高知新聞でも「県内66年ぶりの確認」ということで報道されました。山脇元牧野植物園園長が昭和16年に高知市で採取した標本が残っているので、公式にはそれ以来の発見だということです。

タグ:シソ科 アキギリ属 キバナアキギリ

シマツユクサ 南方より来る (カロライナツユクサに訂正)

2017.10.03 07:18|山野草・10月

2010/10/26 の記事を改めて掲載しました。

上からツユクサ、マルバツユクサ、シマツユクサ

 ツユクサの仲間(ツユクサ科ツユクサ属)は、ツユクサのほかにマルバツユクサが知られていました。2009年に発行された高知県植物誌にもこの2つは載っていますが、これにシマツユクサという新顔が加わりました。
 シマツユクサは熱帯・亜熱帯地方に分布するもので、日本では鹿児島県以南に限られ、四国には自生しないものと思われていたようです。
 それが最近、高知県のあちこちで自生していることがわかってきたということです。徳島県の藍住町でも確認されています。
 熱帯性のものが北に分布域を拡げているということは、やはり温暖化の現われでしょうね。

 シマツユクサの特徴は、花がツユクサと比べると一段と小さいことです。この点はマルバツユクサに似ています。葉はマルバツユクサのように丸くありません。ツユクサに形は似ていますが小型です。苞は幅が狭く長く尖るのも特徴のひとつです。  私が見た場所は日当たりの良い田園地帯で、用水路の側や田畑の縁でした。



追記(201710/3):
この花は、シマツユクサではなく、外来種のカロライナツユクサに訂正されました。




タグ:ツユクサ科 シマツユクサ

チャボホトトギス!? 背が高すぎる

2017.10.01 15:04|山野草・10月

2013/10/2 の記事を改めて掲載しました。

背は高いし、花もたくさん背は高いし、花もたくさん 果実が14個もあった。果実が14個もあった。

 チャボホトトギスといったら、葉は地面に張り付くようにひろがっていて、その葉っぱの上に置いたように、花が乗っかっている、といった印象が普通。
 ところが、これは違います。草丈も高く伸びている。花もたくさんついている。上の写真では、ごちゃごちゃしていいて数えにくいが、すぐ近くにあった株(写真下)では良く分かります。葉腋に果実が2個ずつついていて、全体で14個もあります。
 これじゃと、チャボホトトギスじゃなくて、ジャンボホトトギスです。
 この場所は、垂直に近い崖で、南向きで日当たりも良い。これまで見てきたのは、日陰の山道の側で、湿度も高い場所でしたから、環境の違いで、こんな変わった姿のチャボホトトギスができるのしょうか。
   手元の図鑑のチャボホトトギスの項をみると、花は「茎の頂と葉腋に1-2個つける」とあります。これが「全体で1-2個」という意味なのか、「葉腋ごとに1-2個」と解釈して良いのか。そこがあいまいです。

タグ:ユリ科 ホトトギス属 チャボホトトギス

日本列島 赤く染めて ヒガンバナ強し

2017.09.24 19:13|山野草・9月
 今、ヒガンバナが咲き誇っています。この生命力は恐るべしで、日のかんかん照る場所を一面赤く染めているかと思うと、うす暗いような山道にボツボツと姿を見せます。
 大昔に中国から渡ってき、飢饉に備えて人々が広めてきたものでしょうが、それにしても良く繁殖したものです。

 私も戦後まもなくのころ、ヒガンバナの球根を少し食べたような記憶があります。当時でも農家はそんなに食料に切羽詰まったようではありませんでしたが、あるいは当時の政府の政策だったかも。イナゴも食べた。小学校の校庭を耕して芋も植えた。当時の農家は水田の畦さえも遊ばさず、大豆か小豆を植えた。小学生も道路の縁に大豆を植えたように思います。

 ヒガンバナはあんなに見事な花を咲かせるのに、実は付けないという。何でも3倍体だからタネができないそうです。ですから、日本国中のヒガンバナが全部株分けから殖えたもので、同じ遺伝子だというからビックリです。
 ヨシノザクラやタネのないバナナにも同じことが言えますが、こちらは同じ遺伝子ゆえの深刻な問題が置きつつあるそうですが、ヒガンバナは健康そのものですから偉い!

 ところで、ヒガンバナもたまにはタネを作るそうです。そのタネから発芽させた実験がホームページ「石川の植物」に載っています。










タグ:ヒガンバナ科 ヒガンバナ

シソ科シソ属シソ 本家本元

2017.09.20 10:53|山野草・9月

2010/9/18 の記事を改めて掲載しました。

 
 人家の近くの畑、豆類を植えてはあるが、あまり手入れができていない畑の畦に雑草に埋もれてシソが花を咲かせていました。
 これはアカジソで、梅を漬けるときに入れて、紅色に染めるのに使っていました。香りはあまりしないので、料理に使うのはアオジソの方です。
 ちょっと前までは農家はシソを植えていて、料理で必要なときに近くの畑に行って葉っぱを摘んできていたものが、それはたいていアオジソの方でした。
 今では農家も自家用の野菜でも買ってきて使う場合が多いようで、近くの畑にもあまり行かず、手入れもいきとどきません。ここのアカジソも栽培していたもののタネが残っていたのでしょう。雑草に埋もれて野生状態でした。 
 シソ科の花はたくさんあって、秋に咲くものも多く私たちを楽しませてくれますが、シソの花がこんなに魅力的なことにはこれまで気づきませんでした。




タグ:シソ科 シソ属 シソ

「66年ぶり確認」のヨツバハギ 今年も元気に咲いています

2017.09.18 18:44|山野草・9月

2007/9/28 の記事を改めて掲載しました。

 
 2007年、地元高知新聞に、「県内66年ぶり確認」の見出しで載ったヨツバハギが今年も元気に咲いています。
 あれから7年経ちましたが、ほとんど当時の状態で維持されているのはうれしい。ここらあたりが「開発」されなかったことの証かもしれませんが。
 このマメ科の花は花期が長くて夏に咲き始めて、11月ごろまで咲き続けます。








追記(2017/9/18):
今年も咲いています。






タグ:マメ科 ソラマメ属 ヨツバハギ

博士の愛したジョウロウホトトギス

2017.09.13 17:12|山野草・9月

2012/9/27の記事を再度掲載しました。

 ジョウロウホトトギスは9月下旬から10月上旬が見ごろだと思いますが、 2011年9月23日、撮影 2011年9月23日、撮影 名付け親の牧野富太郎博士は、その由来を牧野日本植物図鑑に、次のように書いています。
和名上臈杜鵑ハ初メ土佐横倉山ノ産品ニ余ノ命ゼシ和名ニシテ其花上品ニシテ美麗ナレバ此名ヲ得タリ、 上臈ハ宮中ニ奉仕セシ貴婦人ヲ云ウ。
 学名は、Tricyrtis macrantha Maxim. です。Maxim. はロシアの植物学者マキシモヴィッチです。 牧野博士は、標本をロシアへ送り、マキシモヴィッチが新種として発表した。当時の日本では、牧野博士といえどもそれだけの力がなかったということでしょう。
 しかし、その後、牧野博士は、ヤマトグサを Theligonum japonicum Okubo et Maxino として発表し、 学名をつけた最初の日本人の栄誉を得ました。 (連名 Okubo は、元老院議員であった大久保三郎ということです。)  

 今年(註 2012年)は、「牧野富太郎生誕150年」ということで、たくさんの行事がありました。
4月には、その一つとして、記念切手が発行されました。これには、 ガマズミ、ジョウロウホトトギス、ヒメキリンソウ、ホテイラン、コオロギラン の5種の、博士の描いた標本が載っています。 記念切手の元になった標本画 記念切手の元になった標本画
 発行後まもなく、この中のジョウロウホトトギスが話題になり、地元新聞にも載りました。 天地逆さまではないか、という声が上がったというのです。 この花は茎が垂れ下がって、下向きに咲くはずだ。上向きに咲くことは決してない。 日本郵便のミスではないか、という訳です。
 しかし、すぐに博士の描いた標本画が忠実に印刷されていることが明らかになりました。
 この標本画の印刷は、牧野植物園内の売店でも売っていますから、私も一度は見たことあるはずですが、 その時は、特に奇異な感じ受けませんでした。 しかし、言われてみると、確かにおかしい、不自然だと思います。
 「石灰岩の岸壁で発見した」と博士が書かれているように、 岸壁の高い所から茎が垂れ下がって、その先端から数枚の葉の腋に、ひとつずつ花を付けます。 その花は、筒状で、重量感があって垂れ下がっています。 岸壁の下の平らな地面に生えていたら、茎ははじめは立ち上がりますが、 途中から曲がって、花のつく当たりの茎は下向きになっています。

 茎が下向きに垂れるのは、ジョウロウホトトギスに限ったことではありません。 ホトトギス(種としての)が立ち上がっているのは、あまり見かけません。 ヤマジノホトトギス ヤマジノホトトギス ヤマジノホトトギスは、斜面に生えた大きな株の茎は垂れ下がるが、平地のものや小さな株は立ち上げる傾向があるようです。ヤマホトトギスは、たいてい立っていますが、この種が斜面に生えているのは、まだ見たことがありません。
 茎が立ち上がるかどうかは、その種としての特質だけでなく、生えている場所が平地であるか、斜面または崖であるかなどの条件が影響すると思います。
 しかし、茎の向きがどうあっても、「ジョウロウホトトギス」と名のつくもの以外のホトトギス属は、花は上向きに咲き、平開しています。 平開せず筒状になって、垂れ下がるのは、ジョウロウホトトギスだけです。

 天上の、植物学の父は、下界の騒々しさを如何思し召しや。

 付記:  問題の標本画は、日本植物志図篇(明治21年発行)の最初のページに載せられています(その時点では彩色されていない)。
 そのずっと後(昭和15年)に出版された、牧野日本植物図鑑のジョウロウホトトギスの項を見ますと、 「(前略)茎ハ撓曲シテ懸垂シ、(略)花ハ葉腋ニ出デテ下垂シ(以下略)」と書かれています。 この記載の側の図は、茎(上部だけ)は下向きに、花ももちろん下向きに描かれています。 ただし、この作図は、博士自身によるものか、別人の作図なのか、はわかりません。









タグ:ユリ科 ホトトギス属 ジョウロウホトトギス

マイサギソウ、つかのまの乱舞

2017.08.24 07:42|山野草・8月

2016/8/24 の記事を改めて掲載しました。

左は12個。右は35個か、それ以上

 
 マイサギソウの花々が舞い降りてくる。その数、35個か、もっとあるか。
 普通、マイサギソウの花は、一本の花茎に15程度である(写真下左)。だから、35個もあれば、普通の2倍以上あって、その花序は竜巻の柱のように見える。
 ここへは、半月ほどたってから行ったが、もう無かった。まるで、幻のように消えていた。
 友人の話では、今年は出なかったそうである。




タグ:ツレサギソウ属 マイサギソウ

コバノタツナミ? 葉っぱはシソバ

2017.08.23 07:28|山野草・6月

2014/8/29 の記事を改めて掲載しました。

 
   6月も末近く、高知県の1300mほどの高い山で撮りました。
 葉っぱの美しさに惹かれて、藪の中に入ってシャッターをきりながら、まず頭に浮かんだのが、シソバタツナミです。

 帰って写真を友人に見てもらったところ、「コバノタツナミに近い」ということ。
 確かに、姿はシソバタツナミではなく、コバノタツナミだ。
 しかし、コバノタツナミならこれまで良く見ているのに、こんなに綺麗な模様のあるのは初めてです。
 もしかしたら、もしかしたら、ちょっと珍しいものを発見したのじゃない!?





タグ:シソ科 コバノタツナミ

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