シロテンマ に 2つのタイプあり

2017.08.07 05:48|オニノヤガラ属

2013/8/5の記事を再度掲載しました。

 やっとシロテンマなるものに出会えました。
 オニノヤガラの品種で、「青緑色のものをアオテンマ、

左=オニノヤガラ、右=シロテンマ 左=オニノヤガラ、右=シロテンマ 左=オニノヤガラ、右=シロテンマ 左=オニノヤガラ、右=シロテンマ 左=オニノヤガラ、右=シロテンマ。(唇弁の先端部分の切れ込み方が違う) 左=オニノヤガラ、右=シロテンマ(唇弁の先端部分の切れ込み方が違う)

淡黄色のものをシロテンマという(日本の野生ラン 59.5.10発行)」ことになっています。が、「アオテンマは品種で良いとしても、シロテンマは別種じゃないか」と異議を唱える声は多数あります。

 私が見たシロテンマは、同じ場所に生えていた2株です。
① 高さは一つが25cm、もう一つが24cm。茎の直径は2.5mm。左右にオニノヤガラとシロテンマとを並べましたが、同じ縮尺ではありませんが、高さは3分の1、茎の直径は半分ぐらいではないかと思います。(シロテンマは実際に測りましたが、オニノヤガラのほうは計測していません) 
② 花数は8個です。オニノヤガラの20~50個と比べると非常に少ない。 
③ 花の色は純白です。けっして淡黄色ではありません。 ④ オニノヤガラの唇弁の先端部分は、細かく深く切れ込んでいて、毛状になって縮れていますが、シロテンマは鋸歯状のギザギザがあるだけです。
 こうして比べてみると、オニノヤガラとシロテンマとは、別種とすべきだという見解に軍配をあげたくなります。

 ところで、高知県植物誌(2009.3.15発行)のオニノヤガラの項に、その品種として、シロテンマが載っています。その標本の丈は、およそ56cmぐらいです。また、「花は灰褐色」と記載されています。
 私がシロテンマとして写真を載せたものは、高さや花の色、花数などの違いがあります。

 そうすると、シロテンマと呼ばれているのにも二つのタイプがあることになります。
 サイト上州花狂いの植物散歩野の花賛花 には、この両方の写真が載っていて参考になります。

 シロテンマの学名は、オニノヤガラの変種 Gastrodia elata var. pallens Kitag.として発表されています(1939)。それを品種 G. elata f. pallens (Kitag.) Tuyama としたのは、より大型で花数も多い(普通のオニノヤガラと比べるとやや小型で花数も少ない)タイプのものだと思います。

タグ:シロテンマ 8月

シロテンマは、白くなくちゃダメか?

2017.08.06 05:07|オニノヤガラ属

2015/8/4 の記事を改めて掲載しました。

シロテンマ

シロテンマ オニノヤガラ

 
 待望のシロテンマ発見! とかけつけて、デジカメでパチパチ何枚も何枚も撮る。珍しいものは、とくに沢山撮っておくに限る。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、4・5枚のうちには、1つぐらいピントの合ったものがあるはず。
 初めは真っ白いと思っていた花の色が、薄暗さに目が慣れてくるにつれて、少しではあるが、緑色を帯びていることが気になりだした。
 これは果たして、シロテンマと呼んで良いものか?
 標準的なオニノヤガラと比べたら、丈は低いし、花数も少ない。わずかに緑がかっているとはいえ、まずまず白花と言っても差し支えなかろう。だから、これはシロテンマです、というのが常識的な判定。

 今年の5月にでた  日本のランハンドブック ① 低地・低山編 のシロテンマのページには、オニノヤガラに比べて小さく、花数も少ないことの他に、花の形態に違いがあると書かれている。さらに、別種とすることが適当であろう、とも書かれている。
 この考え方によれば、花の色がどうのこうのというのは、二の次にして、花の形態が判別の決め手になると思う。極端な話、花の色が、オニノヤガラ(写真下)のように緑でも、形態がシロテンマに合致するなら、それはオニノヤガラではなく、シロテンマとすべきじゃないか。
 この場合、和名は「シロテンマ」ではなく、別名の「ヒメテンマ」がピッタリだが・・・
 偉そうなことをくどくどと書いてきたが、白状すれば、私は肝心の花の形態の違いを知らない。どなたか教えてくだされば幸いです。




 今年2016年にはいって、ラン科植物と菌と関係を解明する本が出版された。
一つは、5月に出版された 森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界 で、もう一つは、8月出版の ランの王国
 どちらも、豊富な写真と素人(私)にも理解しやすいように工夫されているように思う。
(下記の画像をクリックすれば、より詳しい内容が判ります)






タグ:シロテンマ 8月

ナヨテンマか!と思ったが・・・

2017.08.05 05:45|オニノヤガラ属

2013/8/15 の記事を改めて掲載しました。

左=7/14、右=7/21 左=7/14、右=7/21  ナヨテンマといえば、四国では絶滅状態で、私はもちろん友人の誰も見た者はいません。見たい、見たいの願望が高じて、ナヨテンマの幻を見たというお話。

 最初、蕾(写真左)を見て「ナヨテンマかも」と思いました。シロテンマも初見ですが、ナヨテンマも図鑑でしかお目にかかっていません。両者とも珍しいものですが、シロテンマはあちこちで出現していると聞いていましたが、ナヨテンマのほうは噂さえありません。こんな場合どうしてもナヨテンマであってほしいと思うのが人情じゃないですか。
 一週間後再訪した時の写真が右。やっぱりシロテンマでした。

 植物学の父といわれた牧野富太郎博士にもシロテンマとナヨテンマとにかかわる面白い、いや興味深い話があります。1952年に書かれた津山尚氏の論文からの受け売りですが。
 博士はシロテンマGastrodia gracillis (ナヨテンマの学名) だと同定したそうです。今なら、素人の私でさえナヨテンマの写真入りの図鑑で見分けることができますが、当時はそうはいかなかったでしょうし、博士はその時点では、ナヨテンマの実物を見てなっかたでしょうね。
 シロテンマが Gastrodia gracillis と違うと認識したら、博士はきっと別の新しい学名をつけたことでしょう。オニノヤガラの変種とか品種とかは頭になかったはずです。
 シロテンマの別名ヒメテンマを命名したのは博士だそうです。博士は花の色の違いよりも姿の大小に留意したことになります。
 あれこれ妄想するのも楽しいですね、私は。

 なお、ナヨテンマは津山氏が命名したものです。
Gastrodia gracillisシロテンマ を否定して、
Gastrodia gracillisナヨテンマ としました。


  
5月に出版された日本のラン①低山・低地編のナヨテンマ のページに次のように書かれている。
DNA情報を使った解析の結果、オニノヤガラよりもヤツシロラン類に近縁であることがわかっている。
 

タグ:シロテンマ 8月

シロテンマとオニノヤガラと見比べてみたら・・・

2017.07.14 07:22|オニノヤガラ属
オニノヤガラ(左)とシロテンマ。
高さは、オニノヤガラが40~100cm、シロテンマはその半分ぐらい。
花数は、オニノヤガラが20~50個、シロテンマは5~20個。
オニノヤガラ(左)とシロテンマ。
高さは、オニノヤガラが40~100cm、シロテンマはその半分ぐらい。
花数は、オニノヤガラが20~50個、シロテンマは5~20個。

オニノヤガラ(左)とシロテンマ オニノヤガラ(左)とシロテンマ

 
 ここ数年、友人の案内で沢山のオニノヤガラとシロテンマとを見ることができた。
 両者については、学者の間では、品種説から変種説、さらには別種説まである。
 品種とする説は、花の色が違いに重点をおいて、その他の違いは軽視する。別種する説は、シロテンマは小さく、花数も少ないし、花期が遅いとし、更に花の形態が違うと主張する。
 しかし、花の形態の違いについては、花をむしり取って、解剖して中まで観察するのは、遊び半分でやっている者としては遠慮すべきだから、外から見ることができる範囲で、見比べた。
➊ 萼筒の下部左右に膨らみがあるが、オニノヤガラは非常に大きい。これに比べたら、ヒメテンマのは、それほどの膨らみはない。
❷ オニノヤガラの萼筒は、壺のようであり、開花しても大きくは開かない。口の小さい壺のようである。これの比べたら、ヒメテンマのほうは、大口であり、コップに近い形になっている。
➌ その口から、覗いている舌(唇弁)にも、違いがある。オニノヤガラのほうは、外側につき出していて、先端部分の毛が長く、良く目立つ。ヒメテンマのほうは、外側につき出していないことが多く、はっきりとは分からないが、先端部分の毛は少なく、短いように見える。

  決め手は花の数
 花の形態の違いは、あやふやで明確ではない。両者を区別する決め手はないか。ある。それは、花の数だと思う。
 オニノヤガラは、花数が多くて、20~50個も付ける。対する、シロテンマは5個から多くても20個以内である。高さはだいたい花の数に比例する。花の色は、オニノヤガラでも白に近いものがあれば、シロテンマの花でも緑がかったのもあるから、参考程度にするのが良い。
 花数が20個以内であればシロテンマ20個を超えればオニノヤガラで決まり。単純明快。   
2015年5月に出版された日本のラン①低山・低地編のシロテンマ のページで解説者遊川氏は、オニノヤガラとは別種とするのが適当であろうとする立場で、幾つかの特徴を挙げている。
①全体が小さい。 ②花数がすくない。 ③花色は白が強い。 ④花の形態に違いがある。 ⑤開花期が遅い。
 しかし、花の形態については、どこがどう違うのか書かれていない。

参考:
オニノヤガラ
シロテンマ



タグ:7月 オニノヤガラ シロテンマ

ハルザキヤツシロラン 果実ができた

2017.05.25 17:56|オニノヤガラ属

2015/5/25 の記事を再度掲載しました。



 近くの神社の森のハルザキヤツシロランが果実をつけた。
 高さは15㎝程度。まだまだこれから伸びる。40㎝にもなるものもある。
 花の時は、地べたにくっ付くように咲いていたのが、これくらいの高さになると、目につく。
 だから、山を歩いていると新しい自生地を発見することができるかもしれない。見つかったら、その場所をよく記憶あるいは記録して置くことだ。
 来年そこで、ハルザキヤツシロランの花を見ることを期待して。



 

タグ:5月 ハルザキヤツシロラン

クロヤツシロラン これから種まき

2016.11.08 11:20|オニノヤガラ属

2012/11/12 の記事を改めて掲載しました。

白い糸くずみたいなのが、タネ  クロヤツシロランは、秋に咲きます。今は、花は終わり、果実になって、その果実が割れて、タネを蒔こうとしています。
 前にも書きましたが、クロヤツシロランの花は、地面にくっ付くように咲きますが、結実すると、花柄(茎ではない)がぐんぐん伸びて時には4・50cmにもなります。少しでも遠くへタネを飛ばそうとしているのです。
 タネは、白い糸くずのようですが、縫い糸よりも、もっともっと細い。細いということは、風に乗せて飛ばすのに都合が良いでしょう。また、小さいと、ひとつの果実の中に沢山のタネを詰め込むことができます。そのタネの数はというと・・・ ご覧の写真から推測してください。このうちの一つでも発芽すれば、大成功と言えるでしょう。このランも、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という戦略をとっているように思えます。




Amazon で買える本

日本ラン科植物図譜

クロヤツシロラン 今ならあちらこちらで見つかる

2016.11.07 08:02|オニノヤガラ属

2014/11/6 の記事を改めて掲載しました。

 秋に咲くヤツシロランは、四国では、クロヤツシロランとアキザキヤツシロランの二種ですが、今年はどちらもあまり見ることができませんでした。
 ところが、今の時期つまり果実期になると、あちらこちらの藪で見つけることがあります。
 花は地べたにへばりつくように咲いていますが、実を結ぶと、花柄がぐんぐん伸びて、20cm、30cm、40cmとなるから、良く目につくわけです。
 今なら藪蚊もほとんどいないのでチャンスです。




アキザキヤツシロラン 探すなら11月

2016.11.05 12:24|オニノヤガラ属

2012/11/1 の記事を改めて掲載しました。

 
 11月ともなると、ランの仲間も大方は花の時期はすぎました。カンランなどこれからというのもありますが、これは鉢で咲かせたものですから、物足りない。
 ここに紹介するアキザキヤツシロランも果実の時期になっています(写真上)。しかし、自生地を探すなら、今が絶好の時期です。
 アキザキヤツシロランは、四国では太平洋側に近く、大きな河川流域の竹林に生えています。一昔前は、モウソウチクにしろ、マダケにしろ、竹は生活の必需品でしたから、竹林は大事されていました。しかし、今は、無用の長物となって放置されているところが大部分です。
 こんな竹やぶには、足を踏み入れるにもちょっと勇気が要ります。また、中に入ると、蚊の集中攻撃を受けることは間違いなし、です。11月ともなると、蚊もぐんと減ってくることも、「今が絶好の時期」といったことの理由です。
 もうひとつ、花の時期よりも果実の時期の方が探しやすい、ということもあります。花(写真下)は、高くても10cmですから、雑草などに埋もれていることもありますし、色はご覧のような保護色ですから、目立ちません。しかし、結実すると、花柄がぐんぐん伸びて、30cmを超すこともありますから、簡単に見つけることができます。

 どんなところを探せばいいか?と聞かれれば、「四国におけるハルザキヤツシロラン,アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランの分布」 が非常に参考になります。
 また、アキザキヤツシロランとクロヤツシロランは、花期が同じで、竹林では両方が一緒に生えていることも良くあります。果実での見分け方は、 ここ を参考にして下さい。





日本ラン科植物図譜




アキザキヤツシロランの果実は鼠色、クロヤツシロランは栗色

2016.10.28 13:20|オニノヤガラ属

2010/11/22 の記事を再度掲載しました。

左側がアキザキヤツシロラン、右側がクロヤツシロラン左側がアキザキヤツシロラン、右側がクロヤツシロラン アキザキヤツシロランアキザキヤツシロラン    アキザキヤツシロラン(上左)とクロヤツシロラン(上右)の果実期の姿です。大きさや形は違わないですが、色が違います。
 アキザキヤツシロランは灰色、ねずみ色といった感じですが、クロヤツシロランは名のとおり、比較すると黒い色をしています。「黒い」といっても墨のような黒さではなく、赤みが入っていて、褐色あるいは栗色というのが近いかもしれません。
 クロヤツシロランは比較的多く、杉林や常緑の雑木林、竹林などで時々見かけます。といっても先にも書いたとおり、花時ではなく果実期の話ですが。
 アキザキヤツシロランは、クロヤツシロランに比べると分布域はぐんと狭いようです。竹林(モウソウチクまたはマダケ)以外には見かけないといっても良いようです。高知県では、海に近い所、大きな川の流域、標高の低い所などの条件が目安になります。
 なお、クロヤツシロランはアキザキヤツソロランの自生地でも見られることがあります。モウソウチクの朽ちかけた切り株に両者が並んで咲いていることもあります。




ヤツシロラン 蚊に喰われずに探す

2016.10.24 06:05|オニノヤガラ属

2011/10/27 の記事を改めて掲載しました。

秋に咲くヤツシロランは、四国には2種(アキザキヤツシロランとクロヤツシロラン)ありますが、 左=アキザキヤツシロラン
右=クロヤツシロラン
左=アキザキヤツシロラン。花柄はまだこれから伸びる。
右=クロヤツシロラン。花柄が伸びきって、果実が割れ始めている。
どちらも花は終わっています。が、新しい自生地を見つけておこうというのなら、これからがシーズンです。
 第一に、ヤツシロランは実を結ぶと花柄がぐんぐん伸びて、高いものでは30cmから40cm近くにまであります。これなら、地面に這い蹲らなくてもよい。歩きながら楽に見つかります、あれば。
 第二に、これからの時期なら蚊に襲われることは少なくなります。
 ただし、花の時期よりは果実の方が何倍も探しやすい、ということでして、見つかる保障はありません。あなたが10箇所の竹薮に入って、1っ箇所でも「あった!」なら、ラッキーです。

 どんなところにありそう?ということなら、次の論文がたいへん参考になります。
  四国におけるハルザキヤツシロラン、アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランの分布

 この記事も読んでください。
ヤツシロラン 探すならこれから
アキザキヤツシロランの果実は鼠色、クロヤツシロランは栗色


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Author: hisa
“ 梅雨時に逆さ傘 ”

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