コオロギラン、杉林でないところにもある!・・・今年の大発見

2018.09.29 19:03|野生ラン・9月

2012/12/19 の記事を改めて掲載しました。

常緑広葉樹林。雨で暗かった。

小さなコオロギランの周りは、広葉樹の広い葉っぱばかり。杉の落ち葉は、まったくない

 
 コオロギランは、命名者である牧野博士ゆかりの横倉山が唯一の自生地だ、と一昔前は言われていました。しかし、今では、私がしっているだけでも、5箇所はあります。
 それは、杉林です。水田や畑であったところに杉を植林したところも、2・3箇所あります。ですから、コオロギランは杉林にのみ生える。少なくても、杉の落ち葉が積もっている場所に生える。そう思い込んでいました。
 ところが、今年の9月、土佐植物研究会の例会で案内してもらったコオロギランの自生地は、私の「常識」を覆すもので、今年一番の大事件でした。
 「ここでは周辺には全くスギは無く、ほとんどがウラジロガシ,シロダモ,アカガシ,ヤブニッケイ,ハイノキ,アセビ,シキミ,ヒサカキなどの常緑広葉樹である.」( 土佐植物研究会のニュースレター
 この自生地は、あまり広くはなく、コオロギランの株数も少ないようです。しかし、これからは「杉の落ち葉がないないところにもある」という観点から探してみたら、存外あるかも知れません。




タグ:コオロギラン

コオロギランは杉林がお好き

2018.09.24 08:08|野生ラン・9月

2015/9/3 の記事を改めて掲載しました。

 
 コオロギランは杉林がお好き。このことは前にも、何回も言ってきた。
 杉の落ち葉の中にしか生えない、と書いた。
 数年前に、杉の木が一本もない山にコオロギランが生えているのが発見されて、杉の落ち葉の中にしか生えないというのは、言い過ぎだったということが判った。しかし、四国にある7カ所ほど(私が知っている範囲で)の自生地のうち、この一か所のみである。
 だから、コオロギランが杉と相性が良いことには変わりがないと思う。
 とくに、四国では杉林が多い。戦後の食糧難を抜け出すと、国策として、田畑を潰して杉を植林した。それが50年ほどたって、丁度コオロギランの住処として最適になったのかもしれない。


タグ:コオロギラン

小さなコオロギランを大きくして観る

2018.09.22 18:31|野生ラン・9月

2015/8/27 の記事を改めて掲載しました。

① 全体像 ② 花を正面から見る。 ③ 唇弁の付属体と蕊柱のクローズアップ(イラストは牧野博士作図の一部) ④ 花を横から見る。 ⑤ 花を下から見る。

 
 コオロギランは非常に小さな花で、十五夜お月さんのような魅力的な唇弁も、その直径は4mm程度しかない。
 しかし、花のほとんどすべての器官は、解剖しなくても外部から撮影できる。 
 写真をディスプレイの上に拡大して、その構造を観察すると・・・・ 

 全体の長さは、10cmほどで、半分あるいはそれ以上が落ち葉に隠れている。
 (=普通葉)は1枚だけ(まれに2枚)で、
長さ3~5mm。
 (=苞葉)もほぼ同じ大きさ。 
 葉の大きさや数から推測して、光合成の能力は非常に弱いと思われる。 

 は1~4個で、下から上へと順に開花する。同時に2つ開花することはほとんどない。
 写真①の場合、最初の花がしぼみ、2番目が開花している。3番目の蕾は2番目がしぼむ頃に開く。一番上の蕾はひじょうに小さく、開花せずに終わる。 
 背萼片は細長い披針形。 
 側萼片は唇弁の裏側にあって、正面からは唇弁に隠れて見えない。 
 花弁(=側花弁)も背萼片とほぼ同じ形、大きさ。 
 唇弁は円形で、直径4mm程度。前半分の縁には細かい鋸歯がある。 
 唇弁の基部には付属体がある。これは上下2枚に分かれ、さらにそれぞれが左右に裂けている。 
 蕊柱は長さ3.5mm程度。柱頭のすぐ下に細い突起がある。ひじょうに細いが、写真④ではどうにか確認できる。 
 蕊柱の中ほどにも二股の突起があり、このほうは写真でもよく判る。 

 写真④は、横から撮ったもので、背萼片蕊柱の突起が確認できる。 

 写真⑤は、下から見上げるように撮ったもので、2つの側萼片が唇弁の裏側にあるのが確認できる。

 


タグ:コオロギラン

ひとりぽっちの クロヤツシロラン

2018.09.21 09:51|野生ラン・9月

2015/9/16 の記事を改めて掲載しました。

 
 毎年必ず行く竹林へ行った。クロヤツシロランが一つだけ花を開いていた。
 この花は小さくて、背が低く、落ち葉に埋もれるように咲いているので見つけにくい。とくに今の時期は、出ている株数も少ないので最初の一株を発見するのは大変。が、見つけた時の喜びは大きい。
 9月に入ると、これから咲くラン科の花は残り少なくなるが、四国にはクロヤツシロランとアキザキヤツシロランがあって、楽しませてくれる。



追記(2017/9/17):
ここの花は、非常に赤い。 今年、福永裕一氏によって、クロヤツシロランの新品種として ベンガラヤツシロラン と命名された。




タグ:オニノヤガラ属 クロヤツシロラン ベンガラヤツシロラン

シュスランとアケボノシュスランとの見分け方

2018.09.20 18:10|野生ラン・9月

2012/9/25 の記事を改めて掲載しました。

 四国に自生するシュスラン属は、6種類ありますが、その内、シュスランとアケボノシュスランとは、 シュスラン(左)とアケボノシュスラン(右) シュスラン(左)とアケボノシュスラン(右) 花期が同じで、比較的似たような場所に生えていることがあります。 (アケボノシュスランの方がより湿度の高い所を好む傾向がある。)

 しかし、ポイントさえつかめば、見分けるのは簡単です。

 ① 花序の柄の長さ:シュスランの花序には長い柄があります。言い換えると、茎に付く一番上の葉と一番下の花との間隔が大きく空いているのです。
 アケボノシュスランの花序には柄らしいものはありません。つまり、一番上の葉と一番下の花との間隔はほとんどありません。

 ② 葉の色:アケボノシュスランの葉は緑色です。これに対して、シュスランの方は、暗紫緑色(やや赤みを帯びる)で、ビロード状の光沢があります。 シュスラン(別名ビロードラン)の名は、ここから来ています。
 また、シュスランの葉の中央の主脈は、白く目立つのが、普通です(赤みを帯びることもある)。

日本ラン科植物図譜

タグ:シュスラン属 シュスラン アケボノシュスラン

コオロギランの側萼片 本邦初公開!?

2018.09.19 09:28|野生ラン・9月

2013/9/11 の記事を改めて掲載しました。

唇弁の正面。側萼片は見えない。 唇弁の裏面。側萼片が確認できる。

 前にも言いましたが、今年のコオロギランは不作です。幸い近くにも自生地がありますので、5回ぐらいは通いましたが、株数が例年の数分の一。しかも蕾はあっても、開花してるのはほとんどなくて、一輪の開花を見ることができれば上々、といった具合でした。
 そこでコオロギランのホルダーを開いて、過去10年かけて撮り貯めた写真を見ていました。この花の一番の魅力は、なんといっても唇弁です。ですから、大抵は唇弁が一番良く写る角度から撮ったのがほとんどです。が、横から撮ったのも、背後から撮ったのも少しはありました。
 しかし、残念ながら側萼片がきれいに撮れたのは一枚もありませんでした。ラン科の花は、3つの萼片(背萼片1、側萼片2)と3つの花弁(唇弁1、側花弁2)からできています。コオロギランは側萼片が唇弁の裏側にあるので、正面からは側萼片はまったく見えません。でも、側萼片がきれいの撮れてる写真はどうしても欲しい。
 そこで一昨日、これが今年の最後だと決めて行ってみました。一つだけ開花株を見つけることができて、ちょっと無理して唇弁の裏側を写すことができました。2つの側萼片がはっきりと写っています。  

タグ:コオロギラン

オオミヤマウズラ あちらこちらで咲く

2018.09.18 18:23|野生ラン・9月

2014/9/21 の記事を改めて掲載しました。

 
 いま、オオミヤマウズラがあちらこちらで咲いています。
 ミヤマウズラより花期が1ヶ月ほど遅いので、今咲いているのはオオミヤマウズラのほうだと見て、まず間違いないと思います。
 花期が遅いことのほかに、花の形もだいぶ違います。ミヤマウズラほどに開きません。まあ半開といって良いでしょう。
 また、花と花との間隔も広いのも特徴です。
 丈は、30㎝を超すものもあり、平均的にミヤマウズラより大型です。




タグ:シュスラン属 オオミヤマウズラ

コオロギランは いくつ花を咲かすの?

2018.09.17 09:51|野生ラン・9月

2015/8/25 の記事を改めて掲載しました。

1番目の花は萎み、2番目が咲いている 1番目の花も残っていて、2輪開花状態

 
 コオロギランが、見事に、たくさんの花を咲かせている。
 これは、株が固まって生えているのであって、一株がこれほどの数の花を付けている訳ではない。
 それでは、コオロギランは一株あたり何個の花を咲かすのか。手元の図鑑 日本のラン ハンドブック①低地・低山編 を見ると、「1-4個の花をつける」と書かれている。
 コオロギランの写真を撮り始めて、もう十数年になる。訪問した自生地も5・6カ所になる。撮り貯めた写真をざっと点検してみたら、やはり「1-4個」のとおりであった。

 コオロギランは、下の花から上の花へと順番に咲いていく。これは他のランにも共通することだ。違うのは、同時に咲くのではなく、最初の花が咲き、萎んだら、次の花が咲くという順序を踏む。最後の花が咲くころは、最初の花は果実になっている。
 同時に2つの花を咲かせている株を見ることは、非常に珍しい(1番下の写真)。

 コオロギランは「1-4個の花をつける」が、一番上の4番目は蕾のまま終わる(蕾といえないほど貧弱である)。だから、「いくつ花を咲かせるのか」という質問には、「1-3個」と答えるのが正確だと思う。

 「0個」ということはないか、つまり、一つも花をつけないことはないのか。これはない。もし虫にやられたりして、花が咲かないことはあるかもしれないが、地上に現れる株は、少なくても1個の蕾をつけているはずである。
 コオロギランは花を咲けせ、実をつけ、種をまくために地上に姿を現すのであって、日光浴(光合成)をするためではない。


   

タグ:コオロギラン

赤いがクロヤツシロラン 2株だけ

2018.09.16 16:36|野生ラン・9月

2013/10/10 の記事を改めて掲載しました。

2013/10/2 撮影

2013/10/2 撮影 孟宗竹の古株に生えたアキザキヤツシロラン(左)とクロヤツシロラン(右)、2010/10/19 撮影2010/10/19 撮影、孟宗竹の古株に生えたアキザキヤツシロラン(左)とクロヤツシロラン(右)

 孟宗竹の林の中に2株のクロヤツシロラン(写真の上2枚)が生えていました。
1週間後にも再訪しましたが、新しく出た株は見つけることができませんでした。
 ここは例年、狭い範囲にアキザキヤツシロランと一緒に比較的高い密度で生えます。昨年の果実期の記録を見ると、クロとアキとそれぞれ20株近く数えることができました。
 今年はわずか2株だけ。夏の猛暑と異常な晴天続きの影響かもしれません。
 だとすると、もう今年はこれでお終いというとこになりますが、2010年には10月19日に、この場所で古い竹株にアキとクロが生えているのをとっています(写真下)から、望みは残ります。

 ここのクロヤツシロランは異常に赤みが強い特徴があります。最初に見つけたのが2009年で、それ以後毎年この特徴は変わることがありません。
 クロヤツシロランは茶褐色ですが、この色には赤が含まれていますから、明度を上げるとこのように赤みが強いものになるのでしょう。
  最近、アキザキヤツシロランの品種として、 ヒスイアキザキヤツシロランGastrodia confusa Honda et Tuyama forma viridis Suetsugu が発表されていますが、そのような類のものかもしれません。





追記(2017/10/2): この赤いクロヤツシロランは、今年、色違いの品種で ベンガラヤツシロラン と命名された。




タグ:オニノヤガラ属 クロヤツシロラン ベンガラヤツシロラン

アケボノシュスラン 咲いている? 咲いてない!!

2018.09.15 20:00|野生ラン・9月

2015/9/25 の記事を改めて掲載しました。

 
 アケボノシュスランが満開だろう、と期待して行ったが、一輪も咲いていなかった。
 ここにお目にかけるのは、2006/9/28に撮ったもので、一面に咲いている。ここのアケボノシュスランは、咲く年はどっと咲いて、咲かないと決めたら一輪も咲かない。そうとうな いごっそう である。



タグ:シュスラン属 アケボノシュスラン

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